車の情報誌「ニューモデルマガジンX」編集長監修
使い勝手のいいサイズで人気を集めている小型ハイトワゴンのスズキ・ソリオ/ソリオ バンディットが仕様変更された。2020年に登場した現行モデルは発売当初、ガソリン仕様とM-HEV仕様の2本立てだった。その後、2022年末に市場からの要望に応えてS-HEV仕様が追加された。
今回の仕様変更の内容を紹介していく。まず、外観ではフロントマスクがリニューアルされた。のびやかで堂々としたデザインではあるものの、小規模な化粧直しにとどまったソリオ。それに対してソリオ バンディットは縦メッキのアクセントが目を引くラジエターグリルと新バンパーの採用によって、立体感のある迫力と上級感が強まった。
ボディカラーも追加され、ソリオにはスピーディーブルーメタリック&ガンメタリック2トーンルーフが、ソリオ バンディットにはスピーディーブルーメタリック(モノトーン)が新たに設定された。
パワートレインが刷新された点は注目すべき最大のポイントだ。仕様変更前は全グレードに91ps/12.0kg-mを発生する1.2L直列4気筒DOHCのK12C型エンジンが搭載されていた。レギュラーガソリン仕様で、M-HEV仕様では3.1ps/5.1kg-mを発生するWA05Aモーターが、S-HEV仕様では13.6ps/3.1kg-mを発生するPB05Aモーターが組み合わされていた。
今回の仕様変更ではスイフトで実用化された82ps/11.1kgf・mを発生するZ12E型1.2L直3ガソリンエンジンに換装され、S-HEV仕様は廃止されてM-HEV仕様のみのラインナップとなった。
これによってグレードのラインナップも大幅に整理され、ソリオはベーシックグレードのHYBRID MG、中間グレードのHYBRID MX、上級グレードのHYBRID MZの3グレードに、ソリオ バンディットは上級のHYBRID MV単グレードという選びやすいシンプルな体系に変わった。ちなみに、各グレードに2WDと4WDモデルが用意されている。
全車M-HEV仕様に統一された今回、3.1ps/6.1kgf・mを発生するWA06Dモーターが組み合わされている。スペックを見るとエンジンは若干出力が下がったものの、WLTCモード燃費値は向上。仕様変更前のS-HEV仕様(FFのみ)は22.3km/L、M-HEV仕様はFFが19.6km/L、4WDが18.4km/Lだったのに対し、仕様変更後はM-HEV仕様ながらFFが22.0km/L、4WDが20.7km/Lで、仕様変更前のS-HEV仕様と同等にまでに向上した。
安全装備面では、スズキの予防安全技術である『スズキセーフティサポート』を引き続き搭載。衝突被害軽減ブレーキはデュアルカメラ方式から単眼カメラ&ミリ波レーダー併用式のデュアルセンサーブレーキサポートIIにアップデートされ、車線維持支援システム、ブラインドスポット警告、リアクロストラフィック警告が加わった。
また、作動と解除の操作を指先で行うことができる電動パーキングブレーキの採用によってブレーキホールドはもちろん、アダプティブ・クルーズコントロールに保持機能を追加。
「ポポッ」という優しい音色のお知らせ機能は先行車に加えて信号にも対応し、発進遅れの回避に役立つ。これらの安全装備により、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーSワイド」、国土交通省による「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」に該当している。
その他の装備では、緊急通報やリモートエアコンなどのアプリ機能を利用できるスズキコネクトに対応。また、ドライブレコーダー連携、HDMI入力対応、スズキコネクト連携機能を新たに搭載したスマートフォン連携メモリー式ナビゲーションを全車にメーカーオプション設定。
後席への荷物の置き忘れなどを知らせてくれるリマインダーをスズキ車として初採用している点も見逃せない。
試乗をしたのはソリオ バンディットのハイブリッドMV。乗ってすぐに感じたのは、仕様変更前のモデルに比べて音と振動のレベルが上がってしまったことだ。これは、エンジンが直4から直3に変わった影響が大きい。アイドリングストップからの再始動がISG(スターター兼ジェネレーター)で行われてスムーズなだけに、信号待ちなどアイドリング状態での振動対策には余計に「もう一声」を求めたくなる。これまでソリオは直4エンジン搭載で音と振動に関しては競合車トール/ルーミーに対するアドバンテージを有していたが、今回その差は縮まってしまったように感じられて残念だ。
とはいえ、ソリオ/ソリオ バンディットの美点である運転のしやすさ、ゆったりと座れる後席、シートバック前倒しに合わせてクッションごと沈み込んでフラットに近い状態が作り出されるラゲッジスペース、車両感覚のつかみやすさ、そしてBセグメント級でありながら前後ウォークスルーが行える空間設計など、年齢や性別、家族構成を問わず幅広いユーザー層のニーズに応えられる実力を身につけていることに変わりはない。
今回は短時間の試乗で確認できなかったが、燃費も不満ないレベルを実現するに違いない。
試乗車にはメーカーオプションの全方位モニター付きナビが装着されていて価格は約252万円だが、ナビなしであれば約230万円。ソリオのベーシックグレードであるHYBRID MGは約192万円、上級モデルのHYBRID MZも約225万円とコストパフォーマンスは高い(いずれもFFの価格)。前述したメーカーオプションの全方位モニター付きナビにはSOSボタンやコネクト対応通信機も含まれており、画面の見やすさとメニューのわかりやすさは国産車の中でもトップレベルの仕上がりとなっている。
パワーユニット変更という、もはやモデルチェンジに近い大幅な手直しがお行われて生まれ変わったソリオ/ソリオ バンディット。軽自動車よりワンクラス上のハイトワゴンを探しているなら、是非ともチェックしてもらいたい。
しんりょうみつぐ 1959年3月20日生まれ。関西大学社会学部マスコミ(現メディア)専攻卒業後、自動車業界誌やJAF等を経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。35年目に入った。5年目から編集長。その後2度更迭され2度編集長に復帰、現在に至る。自動車業界ウォッチャーとして42年だが、本人は「少々長くやり過ぎたかも」と自嘲気味だ。徹底した現場主義で、自動車行政はもとより自動車開発、生産から販売まで守備範囲は広い。最近は業際感覚で先進技術を取材。マガジンX(ムックハウス)を2011年にMBOした。
監修記事一覧へ
私どもが提供しているニコノリはマイカーのように自由に使うことのできる「マイカーリース」。
月々5,500円から新車や中古車に乗ることができます!
さらに、契約満了後はもらえます!
(※)名義変更手数料1万円(税別)とリサイクル券のご負担が必要になります。また、お車が不要の場合は返却も可能です。
私どもが提供しているニコノリはマイカーのように自由に使うことのできる「マイカーリース」。
月々5,500円から新車に乗ることができます!
さらに、契約満了後はお車がもらえます!
(※)別途年2回のボーナス加算があります。ボーナス加算なしの月々均等払いをお選びいただくことも可能です。
ニコノリ独自の調達により、通常よりも早い納期でご提供できる車、「即納車」を多数ご用意しております。
ご契約から最短2週間で納車可能なお車もございます!
車検や税金・メンテナンスもすべてコミコミでの月々定額料金のため、気軽に車を持てるというのもニコノリの特徴です。
まとまった資金のないお客様や、車に関する面倒なメンテナンスを任せたいお客様など様々なニーズを持った皆さまにご利用頂いております。
オンライン販売でご契約した新車には、契約したリース期間中の全期間に特別保証が付いています。
通常、新車登録をしてから5年・走行距離が10万kmまでの特別保証を、6年目以降も追加料金なしで保証します。(最大9年間)
また、走行距離制限もありません。
専門知識を持ったアドバイザーが親身に対応しますので、分からないことや不安なことがあってもお気軽にご相談ください!
お車をお考えのかたは、ぜひニコノリもご検討ください!