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[掲載日:2023年7月14日][最終更新日:]
イマドキの車事情
先進運転支援システム(ADAS)最新動向とメーカー比較
先進運転支援システム(ADAS)とは、カメラやレーダーなど各種センサーで周囲の状況を把握し、必要に応じて警報やブレーキ・ハンドル操作を介入してドライバーを支援する機能の総称です。自動車メーカー各社が搭載を進めており、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止、追従クルーズコントロールなど様々な機能が含まれます。最近の新型車では標準装備化が進み、ADAS搭載車の比較が車選びの重要ポイントになっています。本記事では運転支援システムの違いを機能・メーカー別に徹底解説し、自動運転レベルとの関係やユーザーにとってのメリット・注意点についても紹介します。
この記事の執筆者
倉田 佑一郎
▼もくじ
- 先進運転支援システム(ADAS)とは
1-1.自動運転レベルとの関係
- 先進運転支援システムの主な機能
2-1.衝突被害軽減ブレーキ(AEB)
2-2.アダプティブクルーズコントロール(ACC)
2-3.車線維持支援(LKA/LKAS)・車線逸脱警報(LDW)
2-4.ブラインドスポットモニタリング(BSM)
2-5.交通標識認識(TSR)
2-6.ドライバーモニタリングシステム(DMS)
2-7.その他の支援機能
- 主な国内メーカーの運転支援システム比較
3-1.トヨタ Toyota Safety Sense
3-2.日産 プロパイロット
3-3.ホンダ Honda SENSING
3-4.スバル アイサイト(EyeSight)
3-5.マツダ i-ACTIVSENSE
3-6.その他国産メーカー(スズキ、ダイハツ、三菱など)
- 運転支援システム導入のメリットと注意点
4-1.メリット
4-2.注意点
- 海外メーカーの動向(参考)
5-1.テスラ オートパイロット
5-2.メルセデス・ベンツ、BMW、GMなど
- 運転支援システムを活用するにはカーリースも選択肢に
6-1.初期費用を抑えられる
6-2.税金・メンテナンス費込みの場合が多い
6-3.契約終了後に乗り換え可能
- まとめ
1.先進運転支援システム(ADAS)とは
先進運転支援システム(ADAS)とは、クルマに搭載されたカメラやレーダー、ソナーなどのセンサーで周囲の状況を把握し、必要に応じて警報やブレーキ・ステアリングの制御を行うことで、ドライバーをサポートする機能の総称です。近年、新車に標準装備されることが増え、購入時の重要な判断材料となっています。
ADASは、いわゆる「自動運転」と混同されやすいですが、現在市販されている多くのクルマは自動運転レベル2までの技術(ドライバーが常に関与・監視する必要がある段階)を搭載しており、あくまで「運転支援」に留まる点がポイントです。
1-1.自動運転レベルとの関係
レベル1
アクセルまたはステアリング操作の一部をクルマが支援(例:クルーズコントロールのみ)
レベル2
アクセル・ブレーキとステアリングの両方を同時支援(例:ACCとレーンキープアシストの組み合わせ)※現在、一般的な市販車に搭載されている多くのADAS機能はレベル2に該当。
レベル3以上
一部条件下でドライバーによる監視や操作を不要にできる(例:高速道路での限定的な「ハンズオフ走行」や「アイズオフ」など)。一部高級車が対応を始めているが、現状まだ普及段階。
2.先進運転支援システムの主な機能
ADASに含まれる機能は多岐にわたりますが、主要なものを押さえておくと比較検討しやすくなります。
2-1.衝突被害軽減ブレーキ(AEB)
車両や歩行者との衝突リスクが高まった際に、警報や自動ブレーキで回避・被害軽減を図るシステム。多くのメーカーで「自動ブレーキ」「プリクラッシュブレーキ」などさまざまな名称が使われており、最近は夜間歩行者検知、交差点右左折時の歩行者検知なども進化が進んでいます。
2-2.アダプティブクルーズコントロール(ACC)
一般的なクルーズコントロールの進化版。アクセルペダルを踏まずに一定速度で走行し、前方車両が遅ければ自動的にブレーキをかけて車間距離を保ち、加速すると追従して設定速度まで戻します。渋滞時に停止・再発進をサポートする全車速対応型を採用するモデルも増え、長距離ドライブや渋滞走行時の疲労が大幅に軽減されます。
2-3.車線維持支援(LKA/LKAS)・車線逸脱警報(LDW)
車線を外れそうになったときに警報を出し、必要に応じてステアリングを自動操作して車線内に戻す機能。車線や路肩をカメラで検知し、居眠りや脇見による逸脱事故を防ぎます。名称や作動条件はメーカーによって異なり、警報だけの場合や、積極的にハンドル制御を支援する場合などさまざまです。
2-4.ブラインドスポットモニタリング(BSM)
サイドミラーでは確認しにくい後側方の死角を検知し、ランプ点灯や警告音でドライバーに知らせる機能。車線変更時の接触事故を減らすのに効果的です。
2-5.交通標識認識(TSR)
フロントカメラで道路標識を読み取り、メーターやディスプレイに表示・警告する機能。制限速度の見落とし防止や、一時停止の注意喚起などが行われます。
2-6.ドライバーモニタリングシステム(DMS)
車内カメラがドライバーの表情や視線を監視し、居眠りやわき見を検知して警報を出す機能。高級車を中心に採用が増加し、万が一のときに自動停止するモデルも出始めています。
2-7.その他の支援機能(DMS)
●AFS(自動ヘッドランプ光軸調整)
対向車やカーブの方向に応じてヘッドライトを自動制御する。
●誤発進抑制機能
アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を抑制する。
●自動駐車支援
ハンドルやブレーキを自動制御して駐車をサポート。
3.主な国内メーカーの運転支援システム比較
3-1.トヨタ Toyota Safety Sense
概要
単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたシステムが中心。衝突被害軽減ブレーキやレーン逸脱抑制、ACCなどを基本パッケージ化しており、コンパクトカーからミニバン、高級車まで幅広く標準装備化が進む。
特徴
歩行者・自転車検知など機能が年々進化しており、高級車には高度運転支援システム(車線変更支援やハンズオフ走行に近い機能)を搭載するモデルもある。
3-2.日産 プロパイロット
概要
「技術の日産」を掲げ、早期から高速道路での追従走行や自動車線変更など半自動運転に注力。プロパイロット2.0では同一車線内のハンズオフ走行が可能。
特徴
全方位を検知するためカメラ・レーダー・ソナーを複数搭載。プロパイロット対応車種は高速道路走行が非常に快適で、渋滞時の停止~再発進にも対応している。
3-3.ホンダ Honda SENSING
概要
カメラとレーダーを活用し、ACC、車線維持支援、衝突軽減ブレーキなどを統合的に制御。渋滞追従機能など長距離ドライブの負担を大幅に軽減する機能を備える。
特徴
歩行者回避ステアリングなど能動的にハンドルを操作して衝突を回避する機能も充実。高級車の一部モデルでは世界初となるレベル3の条件付き自動運転を実現。
3-4.スバル アイサイト
概要
国内で初めて量産車に自動ブレーキを採用した先駆け的存在。前方をステレオカメラで立体視することで、高い認識精度を誇る。
特徴
「ぶつからないクルマ」のイメージでユーザー認知度が高い。近年はレーダーを併用した「アイサイトX」を投入し、高速道路での車線変更支援や渋滞時のハンズオフ走行など、さらに高度な運転支援を可能にしている。
3-5.マツダ i-ACTIVSENSE
概要
カメラやレーダーを用いた衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報などをまとめた安全技術群。ほぼ全車種に標準装備している。
特徴
「走る歓び(ドライビングプレジャー)」を大切にするブランド方針から、ドライバーが主体となる操作感を損ねないよう、支援の介入を抑え目にする設計が多い。
3-6.その他国産メーカー(スズキ、ダイハツ、三菱など)
スズキ セーフティサポート
軽自動車から普通車まで幅広く導入。衝突被害軽減ブレーキや後方の障害物検知などをグレード・オプションで展開。
ダイハツ スマートアシスト
ステレオカメラで障害物を検知し、軽自動車にも先進安全装備を積極的に普及。
三菱 e-Assist / MI-PILOT
日産との協力で高度化を図り、高速道路のレーンキープや渋滞時の自動追従を可能にする機能を採用し始めている。
4.運転支援システム導入のメリットと注意点
4-1.メリット
事故リスクの低減
衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止機能により、ヒューマンエラーを補い、追突やはみ出し事故を防ぐ。
ドライバーの疲労軽減
長距離や渋滞時にACCやレーンキープが活躍。アクセル・ブレーキ・ハンドル操作の一部を自動制御してくれるため、ドライバーの負担が大きく減る。
安心感・快適性の向上
死角検知や誤発進抑制があることで運転初心者や高齢ドライバーでも安心。運転者が制御を取り戻しやすい仕組みが多い。
4-2.注意点
過信は禁物
現在の市販車はレベル2が主流であり、ハンドルから手を離しても周囲をしっかり監視する責任はドライバーにある。
作動限界や天候の影響
カメラに雨や雪が付着して誤動作するケースや、逆光・濃霧などでセンサー性能が低下する場合がある。システムが万能ではないことを理解しよう。
車種・グレードごとの機能差
同じ名称でも搭載内容が異なる場合あり。自転車や歩行者に対応しているか、全車速でACCが作動するかなど、購入前によく確認する必要がある。
5.海外メーカーの動向(参考)
5-1.テスラ オートパイロット
半自動運転の先駆者的存在。ソフトウェア更新による機能拡張が頻繁に行われるが、実際はレベル2相当であり、常時ドライバーの監視が必要。
5-2.メルセデス・ベンツ、BMW、GMなど
高級車を中心にレベル3相当の機能(条件付きでドライバー監視不要)を実用化し始めている。日本でも一部メーカーが法整備に合わせて追随中。
6.運転支援システムを活用するにはカーリースも選択肢に
最先端の運転支援システムは、年々アップデートされるスピードが速く、新車を購入しても数年後にはより高度なシステムが登場する可能性があります。そこで、最新技術が搭載された車に手軽に乗り換えられる方法として、カーリース(サブスクリプション)も注目されています。
6-1.初期費用を抑えられる
購入の場合は頭金や諸費用がかかるが、カーリースなら定額制でまとめられるプランが多い。
6-2.税金・メンテナンス費込みの場合が多い
車検費用や自動車税などが月額料金に含まれるため、ランニングコストが予測しやすい。
6-3.契約終了後に乗り換え可能
次の新型車にスムーズに切り替えられるので、先進機能を常にアップデートできる利点がある。
例えばニコノリなら、新車を含む豊富なラインナップから車種を選択でき、最新の安全装備を備えた車でも「月々5,500円〜」といった定額制で利用できます。購入するよりも初期費用を抑えつつ、気軽に先進運転支援システム搭載車を試せるのがメリットです。
7.まとめ
近年のクルマは、先進運転支援システム(ADAS)の普及によって安全性能と快適性能が大きく向上しています。衝突被害軽減ブレーキやレーンキープ、ブラインドスポット検知など各種機能は、ドライバーのヒューマンエラーを補い、事故や運転疲れを軽減します。
ただし、現状のレベル2相当システムでは、あくまでドライバーが最終的な責任を持ち、周囲の監視を怠らないことが大切です。過信せず、各メーカーが提供する機能や注意点を正しく理解したうえで安全運転を心がけましょう。
「常に最新装備のクルマを使いたい」「まとまった頭金を出したくない」といった方は、ニコノリなどのカーリースサービスを利用するのも有効な選択肢です。最新の車に乗って、快適・安全なカーライフを送りましょう。
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